2009 Fiscal Year Annual Research Report
米軍占領下の都市再建に関する地理学的研究―場所の政治と空間の生産をめぐって―
Project/Area Number |
21720310
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
加藤 政洋 Ritsumeikan University, 文学部, 准教授 (30330484)
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Keywords | 空間の生産 / 都市計画 / 米軍占領下 / 場所の文化政治 / 那覇 / 風俗営業 / 東京 |
Research Abstract |
1.理論的展望本研究の目的は、先の戦争で大規模な被害を受けた日本の各都市が、戦後、連合軍が進駐し、事実上、米軍の占領下に入るという特異な条件のもとで、いかにして都市の再建・復興を成し遂げたのか、そしてその過程に米軍がどのように介在したのかを分析し、当時の都市建設・復興(都市再建)に固有の理念と空間的な論理を地理学的な観点から明らかにすることである。今年度は、都市をフィールドとする「空間の生産」論ならびに「場所の政治(学)」に関する基本的な論点、すなわちM・ド・セルトー、D・ハーヴェイ、H・ルフェーブル、そしてJ・ジェイコブズの都市・空間論を展望した。 2.フィールドワークの成果今年度は那覇に関する資料の収集に著しい進展があり、東京がそれに次いだ。さらに、宜野湾・浦添.コザの都市計画に関する資料も得ることができた。具体的には、那覇の神里原、栄町、桜坂、そして辻の成立過程を詳細に明らかにし得るだけの言説を集めている。 3.研究実績別記するように、日本地理学会秋季大会(於:琉球大学)で成果の一部を発表した。また、今年度に出版した『敗戦と赤線』の第7章では、那覇の復興都市計画に関して仮説を提起し、占領下.統治下における都市形成のあり方について、いくばくかの知見を提示した次第である。
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Research Products
(2 results)