2011 Fiscal Year Annual Research Report
アジア・モンスーン地域における民族移動に伴う「土地開発史」の再検討
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21720315
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Research Institution | Lake Biwa Museum |
Principal Investigator |
宮本 真二 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部, 主任学芸員 (60359271)
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Keywords | ブラマプトラ川 / 土地開発 / 民族移動 / 埋没腐植土層 / ミャンマー(ビルマ) / インド / バングラデシュ / ブータン |
Research Abstract |
高地~低地のブラマプトラ川流域を対象に,短期間に発生する洪水氾濫が微地形に与える影響を復原し,居住域としての集落域や水田や畠・畑作などの生産域の変容過程を明らかにすることを目的として,三年目の現地調査と成果の公表を行った. 二年目までの現地調査で不足していたデータを補うべく,インド北東部山岳地域~ブータン東部(高所)と,下流地域のバングラデシュ(低地)の最下流域を対象に,研究対象国の政情を把握しつつ,他の関係研究プロジェクトと整合性を持ちながら,現地調査を行った.昨年度から研究対象地域は外国人の入国制限が厳格化されたため,他の関係プロジェクトで現地調査を集中して行い,本年度の本研究では,成果の公表のための作業を中心に行った.また,比較対象地域であるイラワジ川流域のミャンマーで,研究対象地域の共同研究者とワークショップを開催し,研究成果の公表と現地研究者らとの情報共有を行った. 以上の結果,(1)低所では,約1300年前頃の地形環境の安定期に民族移動を伴う土地開発が行われたことが示唆され,逐次その成果を公表した.また,(2)高所に関しては,約一千年前以降に民族移動が活発化した知見を得ることができ,その成果を論文として公表した.さらには,研究成果の公表通知や現地情報,さらには,思考過程を公表する媒体としてのオフィシャル(公式)Webサイトを再構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象地域の流動的な政情変化によって,外国人の入国制限が厳格化され,現地調査に制限が加えられるようになったため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度にあたるため,成果の公表作業の段階で,これまでの現地調査によって不足しているデータを把握し,現地調査によって補足調査を行う.また,成果の公表のための作業と現地の共同研究者らとの知見の共有につとめる.
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] ベンガル・デルタ中央部における約1300年前の地形環境の安定期と土地開発2011
Author(s)
宮本真二・内田晴夫・安藤和雄・アバニィクマール バガバティ・ムハマッド セリム
Organizer
京都大学防災研究所一般共同研究集会23K-07「第7回南アジアにおける自然環境と人間活動に関する研究集会-インド亜大陸東部・インドシナの自然災害と人間活動-」共催:首都大学東京、総合地球環境学研究所,京都大学東南アジア研究所,京都大学生存基盤科学研究ユニット
Place of Presentation
京都大学
Year and Date
2011-02-05
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