2012 Fiscal Year Annual Research Report
複数の調査地域を連環する「映像アーカイブ利用のシステム化」の実践的研究
Project/Area Number |
21720331
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
鈴木 岳海 立命館大学, 映像学部, 准教授 (20454506)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 映像人類学 / 映像アーカイブ / コンテンツ・アーカイブ / 文化人類学 / ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の目的は研究者と調査対象者による映像制作手法の開発と複数の調査地域の人々をつなぐ「映像アーカイブ利用のシステム化」のモデルづくりを行うことであり、4年間の研究実践において以下の3つの具体的な成果をあげた。 1.現代の京都市静原とネパール・カトマンズにおいて、過去の儀礼との時系列比較を目的とする調査と映像記録をおこない、宗教、信仰と生活が溶け込む年中行事が政治的、歴史的、社会的にことなる状況にある一方で、村落における住民の所属意識と役割分担の意識の変化、その背景にある都市部と村落をつなぐ環境の変化、さらに住民の社会関係の変化のもと、儀礼の意味を読み替え、新たな行為に書き換えながら伝統的な祭りや行事の維持している状況が両地域に見られることを明らかにした。 2.比較調査のために、調査対象と共同して映像を記録し、ローカルな知識を共有する映像アーカイブ利用のシステム化のモデルを実践した。とくに、3年間にわたる京都市内の無形文化財である剣鉾祭りの記録と映像アーカイブ化の試みのなかで、地域文化をアーカイブ化する際の映像制作に関する諸課題、とくに多人数における撮影者に向けた制作指針の作成から修正を循環するシステムを仮構し、システムの実践からその効果を明らかにした。 3.地域文化の映像アーカイブ化のプロセスの中で、諸地域の人々と映像を媒介としてローカル知の共有をおこなった。また、地域社会だけでなく、人文・社会科学的調査研究に還元することで、諸領域におけるアーカイブ映像がもつ特性を共有することができた。さらに、CGアーカイブ領域との領域横断的な研究への端緒となる研究成果の基盤となった。 上記の成果から、本プロジェクトは映像アーカイブ化とそのシステム化を通して、研究者と調査対象や、地域や研究領域を循環する有機的な映像利用のシステム化のモデルの事例を提示することができた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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