2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730006
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
足立 英彦 金沢大学, 法学系, 准教授 (30397202)
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Keywords | 基礎法学 / 数学基礎論 / 法概念 |
Research Abstract |
昨年度は,様相論理学と義務論理学の研究水準を把握することを重要な目標とした。とりわけ様相述語論理学や条件論理学など,法概念の理解のために必要不可欠な知識の習得・研究に努めた。また,本研究の対象である法概念によって把握される法規範は,主に行為規範と授権規範に分けることができ,前者の行為規範は一階述語論理の表現力によって表現できることは従来から明らかであったが,研究の結果,後者の授権規範は,二階の述語論理を用いなければ表現できないのではないかという着想に到った。この着想を2010年4月24日に開催された法理学研究会(会場:同志社大学)において「授権規範と行為規範の関係について-授権規範を行為規範に、権限を権利に還元する方法に関する一考察-」という報告で紹介するとともに,「法規範の分類方法に関する一考察」(11.研究発表「雑誌論文」欄掲載)という論文で公表した。また,2010年11月19日と20日には,ドイツ・キール大学法学部Robert Alexy講座上級助手のDr.Carsten Baeckerをドイツより招き,以上の点について意見交換した。さらに,義務論理の意味論についても研究をすすめ,とくに可能世界意味論に基づき,可能世界間のアクセス関係をどう定めることが,法概念・法規範の考察にとって適切であるかについても研究を始め,その一部を2011年2月26日に開催された法理学研究会(会場:同志社大学)において「義務論理学と法理学の課題」という報告の中で紹介した。
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Research Products
(1 results)