2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河野 恵一 Kyushu University, 研究戦略企画室, 助教 (90380659)
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Keywords | 基礎法学 / 日本法制史 / 喧嘩両成敗 / 紛争処理 / 法意識 |
Research Abstract |
本研究は、所謂「喧嘩両成敗」の考え方が、主に近代以降のさまざまな言説の中でどのように論じられてきたかを、その背景にある学術的・社会的潮流、とりわけ法意識の変遷と関連づけて総合的に解明することを目的とする。 本研究では、第一に、喧嘩両成敗に関する学術的な成果の背景となった学界における議論及び社会情勢を明らかにするため、関連する論考を博捜するとともに、必要に応じて関連する判例についても収集及び検討を行う。第二に、両成敗に関する一般的な言説がどのような脈絡で生まれたものかを明らかにするため、新聞・雑誌類も含めた各種資料から関連する言説を収集する。収集した資料は電子データベースとして整理するとともに、これを活用して考察を行う。 平成21年度は、必要な資料の収集・整理及びデータベースの作成を中心に研究活動を行った。法学分野全般、とりわけ法制史、法意識・紛争処理・刑事法学等、両成敗に深く関わると思われる分野を中心に、「喧嘩両成敗」に言及した文献を博捜して、関連する記述を抜き出し、電子情報(テキストデータ)として随時蓄積した。これらの情報を基に、当該記述の出典や刊行時期、各記述の相関関係等をまとめた電子データベースの構築に向け、他の様々な領域で公開されているデータベースにアクセスしてそれらを研究する等、システムの設計等について検討を行った。 また、法制史関連・法学・紛争処理研究関連の文献を入手、検討してこれらの分野に関する広い知見を身につけ、本研究に厳密性と広がりを持たせるよう努めるとともに、喧嘩両成敗に関する研究実績のある研究者と意見交換を行い、研究の方向性や進め方等について示唆を得た。
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