2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730015
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
北見 宏介 Meijo University, 名城大学・法学部, 准教授 (10455595)
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Keywords | 司法省 / 法律顧問室 / 法務総裁 / 法務組織 |
Research Abstract |
本研究は、わが国における行政自身による適法性確保のためのシステム構築と行政主体内の法務組織が果たすべき機能に係る議論に対して基礎的な知見を提供するべく、アメリカ合衆国において、法的問題に関して司法省(Department of Justice)の長たる法務総裁が示す意見書(opinion)、及びその原案作成の権限を有する司法省内の法律顧問室(Office of Legal Counsel: OLC)を素材として取り上げ、その機能分析とモデル化を行うことを目的とする。 この最終目的に向けて、本年度は、1)OLCの長たる法務総裁次官補(Assistant Attorney General)の任命に係る議会ヒアリング録等の第一次資料の収集・整理作業、及び、2)OLCの歴史的展開を跡づけるための上記第一次資料の検証、諸文献の講読作業を行ってきており、初年度の計画をおおむね達成することができた。 上記作業2)を通じては、とりわけ近年におけるOLCをめぐる状況の変容とそれに伴う議論状況を、同じく司法省内の訟務長官(Solicitor General: SG)においておよそ15年ほど先行して見られた状況と対比して検証するという着想を得た。そこで、両者の接続を意識した上で、中間段階の研究報告を複数の研究会において行い、幅広いメンバーから指摘、意見を得た。 またこれとともに、本研究の最終段階でわが国の状況と結びつける際に、検証の素材になり得ると目される裁判例を検討する報告も行うことができ、研究者・実務家双方のコメントから示唆を得ている。
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