2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730020
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
斎藤 一久 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (50360201)
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Keywords | 憲法 / 人権 / 基本権 / スティグマ |
Research Abstract |
本研究は(1)ドイツ連邦憲法裁判における判例分析と憲法学説の研究、(2)アメリカ憲法学説との比較研究、(3)日本における展開可能性の検討を中心として行うことを全体としている。 今年度は、(1)を踏まえ、(2)及び(3)を中心として研究を進めた。 (2)については法の表現的側面を中心に検討したが、その過程において介入概念がハーバード大学のキャス・サンスティン教授が主張するNudgeとの近接性が見られることが明らかになった。しかし、本研究が基本権からの探求であるのに対して、Nudgeは行動経済学に基づいた国家の制御システム、すなわち統治テクノロジーの研究であり、ある意味では両極に立つ。この点、憲法の個人像という根源的な問いとも関連しており、研究結果としてはさらなる検証が必要であろう。 (3)については、(1)公立学校の国旗敬礼・国歌斉唱及び(2)生活保護受給を中心に研究を行った。(1)では「間接的制約」という概念が、最高裁における一連の国旗・国歌訴訟で示されたことから、思想・良心の自由及び信教の自由に関する判例を中心に介入の概念との比較・整理を行った。また(2)は生活保護の受給のスティグマにより、生存権の現実的な行使可能性が影響を受けることから、「保険料納付者が生活保護者よりも貧しくなる」事態を回避することも憲法上求められると解釈できることを示した。なお生活保護に頼るか、または頼らないかという生き方ないしライフスタイルの選択について、憲法13条の幸福追求権により保護される余地があるが、この点は13条解釈としてより根源的な検証が必要であろう。 なお研究成果の1つとして2011年5月14日の全国憲法研究会・春季研究集会(東京経済大学)にて「ドイツにおける多文化社会と憲法」をテーマに報告を行った。
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Research Products
(2 results)