2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
赤坂 幸一 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (90362011)
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Keywords | 議会先例 / 議会法 / 解散権 / オーラル・ヒストリー / 議院内閣制 |
Research Abstract |
(1)衆議院事務局資料の目録の作成・刊行 衆議院事務局に遺された憲政資料のうち、議会先例や国会法・議事規則等に関する重要なものにつき,包括的な目録冊子を作成し,機関レポジトリを通じて公開した(後掲の「研究成果」欄を参照)。とりわけ,『衆議院先例彙纂』の作成背景を示す諸資料の発掘・整理・公開によって,今後の議事法研究の基盤を確立したことは,特筆に値する。 (2)重要資料を用いた議会法関係の実証的研究の開始 事務局の内部検討資料をも利用した解散権論争に関する論文を公表したほか,新出資料を縦横に用いつつ,議会官僚による先例形成過程を実証的に跡付けた「統治システムの運用の記憶-議会先例の形成」を公表した。また,議会先例などによって形成される我が議院内閣制の運用上の諸問題について,韓国における議院内閣制導入論への批判的視座より検討した論考を公表した。 (3)オーラル・ヒストリーの実施 衆議院事務局所蔵の膨大な資料群の中には、議事部在任中に行った調査結果を個人的にまとめた形のものや、今日では作成経緯が必ずしも明らかでない資料も少なからず存在し、それらの整理・分析を進めるためには。資料作成当時の状況を事務局関係者から聴取する必要がある。そのため,資料作成や事務局運営,および議事法の形成に中心的な役割を果たした議会官僚を中心に,5名のオーラル・ヒストリーを実施し,そのうち3名分の報告書を刊行した。
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