2011 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル化時代のペルーを中心としたラテンアメリカ型公共社会に関する比較憲法研究
Project/Area Number |
21730031
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
川畑 博昭 愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (50423843)
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Keywords | 公法学 / 公共社会 / グローバル化 / ラテンアメリカ / ペルー / 比較憲法 |
Research Abstract |
本研究は、統治の基盤を成し根底から支えるものとしての公共社会のラテンアメリカ的ありようを、ペルーを中心に、歴史的および実態的に分析しようとするものである。その際、グローバル化という国際的現象に典型的に見出せる外的要因に規定された国内の統治社会のありようという視点が重視されている。 一昨年度は9月および12月に、スペイン、フランスなどヨーロッパにおける本研究課題関連の資料収集や意見交換を行うとともに、ペルーおよびブラジルの現地の大学や国立図書館等にて、本研究の基礎研究部分の文献・資料の収集と現地研究者との情報交換を行った。昨年度は、ペルーおよびブラジルで資料収集の継続および現地の研究者との意見交換や議論を行う機会を得て、本研究課題をより深める非常に示唆的な視点や方法論にふれることができた。 今年度は本研究課題の一定の成果を公表するために、(1)スペインでの国際学会では「真に『公共的な』共和国をめざして-グローバル化時代のペルーにおける大統領中心主義の「民主化」についての一省察-」と題し、本研究テーマの核心部分の成果について発表した(スペイン語)。また二度にわたる招待講演を行う機会を得、(2)ブラジルでは、本研究テーマに関わる日本の状況として天皇制を中心に据えた日本の憲政史の特徴を取り上げ、(3)韓国では、本研究の一種の発展形ともいえるラテンアメリカ地域の左派政権に関する憲法改正の意義について、それぞれ話した。(2)および(3)については、図書と論文のかたちでも公刊している。いずれの発表も、本テーマに関する国外の関心、ラテンアメリカの眼あるいは海外のラテンアメリカ研究から本研究テーマの意義等を知るうえで非常に有効な機会であった。同時に、こうした取り組みによって、これまで以上に海外の研究者との連携を得ることができたことも成果の一つである。
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Research Products
(5 results)