競争的公共調達における会計法令上の課題

2009 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 21730034
• Research Institution: Sophia University
• Principal Investigator: 楠 茂樹 Sophia University, 法学部, 准教授 (70324598)
• Keywords: 公共調達 / 独占禁止法 / 会計法 / 競争政策 / 入札

Research Abstract

1.入札・契約手続を規律する会計法令がどのように運用されているのか、について国、地方公共団体、そして会計法令に準拠した内部規程を設けている独立行政法人等のサーベイを行った。その中で、.とりわけ地方公共団体においてはsecondary policyとしての「地域振興・地元雇用」を促進するための諸策が会計法令の運用め中で、考案、試行されていることに着目し、この点にかかわる情報収集を積極的に行った。具体的には、入札参加資格の設定、総合評価落札方式の利用においてこのような政策の実現が目指されている。このことは一方で、(入札談合の誘発を含む)競争政策上の問題を多分に含むものといえ、不正防止、競争促進といった観点からどのように制度構築、運用を行っていくかという実務的問題が生じていることを強く認識するに至っている。
2.国、地方公共団体、そして独立行政法人等の入札・契約実務が適正に行われているかについての、モニタリング体制についてのサーベイを行った。公会計の適正さを監視する会計検査院、入札談合や官製談合を摘発、処分する公正取引委員会の役割が従来は強調されてきたが、本研究では内部管理体制及び総務省における行政監視、政策評価の機能に着目し、これらについての情報収集を行ってきた。研究遂行の過程で、いくつかの独立行政法人の契約監視委員会の委員として活動する機会、そして総務省の行政評価機能強化検討会の構成員としてこの問題に触れる機会を得た(平成21年度末の段階で、総務省による各省庁の公契約監視の実績について情報収集を行っている)。