2009 Fiscal Year Annual Research Report
干渉の国際法規制における「客観法」と「主観法」の二元的規律構造
Project/Area Number |
21730039
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
藤澤 巌 Chiba University, 法経学部, 准教授 (20375603)
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Keywords | 国際法 / 干渉 |
Research Abstract |
平成21年度は、干渉の理論史における「基本権」および「国内管轄事項」概念の展開を検討した。そのために、干渉および国家主権、国際法理論史に関する書籍を調査、購入し、また、日本では入手できない資料を収集するため、英国を訪問し、国立公文書館などで調査を行った。 調査の結果、不干渉原則への国内管轄事項概念の導入の背景には、客観法と主観法という問題関心があり、干渉を主観法=基本的権利義務関係として構成する立場を否定し、純粋に客観法として不干渉原則を定式化することが念頭に置かれていたことが明らかになった。しかし同時に、そのような構成には問題点があることも示された。第一に、客観法一元論においては、適法な干渉の行使主体が特定できず、無秩序が招来される。第二に、客観法のみでは、包括的な不干渉原則を導出することができず、干渉の自由が放置される結果となる。 この結果を、論文にまとめ、「不干渉原則におけるjurisdiction(competence)概念の意味」(『国際法外交雑誌』108巻3号1~33頁)として発表した。
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Research Products
(2 results)