2009 Fiscal Year Annual Research Report
企業結合審査の高度化・洗練化のための評価分析手法の総合的研究
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21730052
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
林 秀弥 Nagoya University, 法政国際教育協力研究センター, 准教授 (30364037)
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Keywords | 企業結合審査 / 独占禁止法 / 事後検証 / 競争政策 / 問題解消措置 |
Research Abstract |
本研究は、企業結合審査の高度化・洗練化のための評価分析手法について、規制手法の「必要性」、「有効性」、「効率性」という3つの観点から検証し、欧米諸国の法制度及びその実態を踏まえた比較法研究も行うことによって、現行法の解釈論だけでなく、実態の分析に基づく法政策研究を行った。すなわち、(1)企業結合審査は、市場の競争環境を十分踏まえたものになっているか(必要性)、(2)企業結合審査は、公正かつ自由な競争を維持・促進する上で有効であったか(有効性)、(3)企業結合審査は、効率的に行われたか(効率性)、という3つの観点から、過去の主要な企業結合事例を対象に、(1)競争制限・促進効果の評価、(2)問題解消措置の履行上・制度設計上の評価、(3)企業結合後の競争状況の評価、の3点について、ヒアリング等による定性的な分析やデータ解析等による計量的な分析等により事後的な検証作業を行った。 その結果、本研究では、アカデミックな見地から、審査結果の評価分析により浮き彫りになった審査手法上の問題点や課題を明らかにし、それを論文の形による「提言」として公表し、それを通じて、公取委による実際の企業結合審査にフィードバックさせることにより、経済の変化に迅速に対応した精緻な審査の実施を学問的側面から支援しようとすることができた。
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