2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730064
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
武内 謙治 九州大学, 大学院・法学研究院, 准教授 (10325540)
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Keywords | 少年刑務所 / 少年行刑 / 少年院 / 社会復帰 / 自立支援 / 第三者機関 / 権利保障 / ドイツ |
Research Abstract |
本研究は、司法制度の大変革期における少年行刑のあり方とそれをめぐる法的関係の整理・明確化の要請に応えるため、(1)経験的調査(統計分析、ケース研究、アンケート、インタビュー)と(2)ドイツとの比較法研究を通じて、少年行刑制度の運用実態とそれに伴う法的問題を整理し、(3)現行法制度下での法解釈に基づく新たな対応可能性と限界を明らかにするとともに、(4)立法提案を行うものである。 平成22年度は日独両国における経験的調査の本調査を実施する予定であった。ドイツに関しては、当初予定していた連邦レベルの責任機関に対する調査を行うことはできなかった。しかし、少年司法執行施設を訪問し、職員に対するインタビュー調査を行うことができた。この調査を通して、施設内における事故への対処、被収容者の権利保障のあり方、職員の意識、職員研修のあり方、第三者機関の活動などについて、重要な情報を得ることができた。また、ChanceやPrismといった幾つかの新しい司法執行政策上のプロジェクトに関して、制度立ち上げ・運営に携わった責任者に対するインタビュー調査を行うことができた。日本に関しては、少年院及び少年刑務所の訪問調査を行い、現在の問題状況を把握することができた。 これらの研究活動の成果の一部は、本年度、「少年の拘禁施設と国際人権法」と題する研究論文として公表した。また、本年度、法務省設置の「少年矯正を考える有識者会議」第10回会議(2010年8月10日)(http://www.moj.go.jp/kyouseil/shingi06400015.html http://www.moj.go.jp/content/000056827.pdf)のピアリングに参加する機会を得た際に、ドイツの現状に関する報告、質疑への応答中に反映させた。
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Research Products
(3 results)