2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730081
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
浦野 由紀子 神戸大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70309417)
|
Keywords | 民事法学 / 方式 / 法律行為 |
Research Abstract |
今年度におこなった研究の内容としては、以下の3点を挙げることができる。まず第一に、今年度も、昨年度に引き続き、要式性の問題に関する議論の蓄積の多い遺言制度について、わが国の判例や文献に基づいて検討をおこなった。なお、遺言と関連する問題として、死因贈与契約(不要式の契約)をめぐる諸問題についても、要式行為(遺贈)との比較という視点から、若干の検討をおこなった。これらの研究成果は、教科書や判例評釈などの形で、ある程度公表することができた。第二に、今年度から、わが国の要式契約をめぐる問題についても資料を調査し、検討をはじめた。とくに、保証契約に関する文献や裁判例をとりあげ、保証契約における問題点や、2004年におこなわれた民法改正による保証契約の「要式行為化」の概要、意義および解釈上の問題について検討した。また、保証契約における要式行為化の目的と「書面」の解釈論とがどのように結びつくべきかについても裁判例等を通じて検討をおこなった。来年度以降は、民法典以外の法律に定められた要式行為(たとえば任意後見契約など)にも視野を広げて検討をすすめたいと考えている。第三に、上記の研究活動と並行しながら、ドイツ法における要式行為論に関する文献の調査と収集もすすめた。来年度以降は、引き続き資料の収集をおこなうとともに、わが国における学説の状況をふまえて、ドイツ法の議論の検討や分析にも取り組みたいと考えている。
|
Research Products
(6 results)