2010 Fiscal Year Annual Research Report
包括担保化時代における事業再生・債権の優先順位の比較法的考察
Project/Area Number |
21730090
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高田 賢治 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 准教授 (40326541)
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Keywords | 民事法学 / 倒産法 / 事業再生 |
Research Abstract |
包括担保化時代における事業再生・債権の優先順位の比較法的考察という研究課題をすすめるために、2002年エンタープライズ法、会社管理の改正に関する情報が含まれるイギリス倒産法および担保法の文献を収集し、分析を進めた。 また、わが国の包括担保の利用状況など、担保利用の実情を知るために、ABL法制研究会に参加した。集合債権譲渡担保や集合動産譲渡担保に関して実務家による報告と研究者も含めた議論がされて、わが国の包括担保の実情と課題について有益な情報を得ることができた。 さらに、判例を素材として、物上保証における無償否認の研究をした。担保の効力が事後的に否定されることは債権者にとって大きなリスクであるがわかった。また、担保権ではなく取戻権としての地位を獲得することで、いわゆる『倒産隔離』を実現することが、近時注目されており、その手法の一つとして信託がある。そこで、受託者破産において信託財産が受託者の固有財産とされる時点について判断した裁判例を素材として、倒産隔離の問題について信託法の研究をした。 また、事業再生と債権の優先順位とが関係する問題として、非自発的な一般債権者を事業再生型の手続においてどのように救済すべきであるかが重要問題であるが、最高裁判例を素材として、事業再生における非自発的債権者の救済の問題を研究した。
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Research Products
(4 results)