2009 Fiscal Year Annual Research Report
信託法・中小企業事業承継円滑化法と民法法理-遺留分制度との関係を中心として
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21730093
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
西 希代子 Sophia University, 法学部, 准教授 (40407333)
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Keywords | 信託 / 中小企業の事業承継 / 遺留分 / 遺言 / 高齢化社会 / 相続 / 民事法学 |
Research Abstract |
今年度は、遺留分制度の廃止論について論じるための予備準備として、文献収集及び基礎知識の吸収に努めた。 まず、ドイツ・フランスの相続法及び信託法に関する文献を収集した。特に、2007年に信託法が成立し、その後相次いで改正がなされているフランス法については、その立法資料等も収集の対象とした。実態ないし法の運用方法を知るために、学術書に限らず、一般人を対象としたいわゆる財産承継マニュアル本も可能な限り入手した。これらを通して、ドイツ及びフランスの相続法の構造、主な内容等に関する知識を得ることができた。 次に、これまで行ってきた遺留分制度の沿革研究及び解釈論をふまえて、いまだ十分に検討されていない近時の二つの改正法・新法(信託法、中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律)を検討の対象とした。これらの法が相続法とどのような関係に立つのかを意識しつつ、その全体像を明らかにすることを主な目標として研究を進めた。特に、本研究との関係で特に重要な意味を持つ条項(信託法91条、中小企業事業承継円滑化法4・5条)を中心に、その立法経緯及び立法趣旨の調査等を行った。二つの改正法・新法の全体像は概ね理解できたが、法の実質的意義を考える上で欠かせない今後の利用可能性を左右する税制との関係については検討が及ばなかった。この点については、来年度の課題としたい。 来年度は、外国法(特にフランス法)における信託法と相続法理との関係を参考にしつつ、二つの改正法・新法が遺留分制度を含む相続法理、ひいては民法法理に与える影響を具体的に明らかにしていきたい。
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