2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730095
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
藤巻 梓 静岡大学, 人文学部, 准教授 (70453983)
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Keywords | 民法 / 建物区分所有 / ドイツ住居所有権法 |
Research Abstract |
本研究は、わが国における建物の区分所有法制のあるべぎ姿を探るために、諸外国の法制度との比較法的考察を行い、その検討から示唆を得ようとするものである。 平成22年度においては、ドイツ法における最新の議論状況を調査するとともに、特に区分所有者と区分所有者の団体の関係について、日本法とドイツ法における従來の議論状況を検討した。その成果については、国内の研究会に参加してこれを報告し、他の研究者との意見効果を行っている。今後、その成果を公表する予定である。 さらに、ドイツのゲッティンゲン大学法学部のWinkler名誉教授を訪問し、ドイツ法と日本法における共有と区分所有の関係について議論するとともに、ベルリン自由大学法学部において、ドイツ住居所有権法研究の第一人者であるHaublein教授(現オーストリア・インスブルック大学部法学部教授)を訪問し、ドイツ住居所有権法における最近の問題点についてご教示をいただいたほか、今後、日本とドイツ、オーストリアの3カ国を対象する共同研究に関する話合を行った。そのために、現在、日本の区分所有法をドイツ語に翻訳する作業を行っており、これを基礎資料として、上記三カ国間の共同研究の推進を図りたいと考えている。本研究は22年度で終了するが、この研究成果に基づいて、継続して共同研究を進めていくことが重要であると考えており、2012年3月には、インスブルック大学で開催されるドイツ・オーストリアの研究者・実務家が参集する学会に参加を予定している。 ドイツ法に関しては、現在、共有と区分所有の関係に関する最近の重要判例に関する検討を行っており、近日中にその成果を公表する予定である。
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