2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730098
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
上田 真二 Kansai University, 法学部, 准教授 (00359770)
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Keywords | 証券法 / インサイダー取引 |
Research Abstract |
本研究課頴は、「インサイダー取引とその法規制」として、(1)インサイダー取引を捉える(定義づける)試みと(2)インサイダー取引規制の構造を探求することにある。半成21年度における研究(計画)は、主として(1)について、文献・資料の調査・収集およびそれらの分析・整理を行うことにあった。 まず、具体的に前者については、ベルギーのルーヴェンカトリック大学やアメリ力のニューヨーク市立図書館、コロンビア大学、東京の証券図書館などへ出向き、文献・資料の調査・収集を行った。とりわけ、EU法にっいてはLegal insider trading and stock market reaction : Evidence from the Netherlands、アメリカ法についてはA legislative history of the insider trading and Securities Fraud Enforcement Act of 1988といった文献か本研究にとって(上記(2)を含む)有益であると考えている。 次に、後者(文献・資料の分析・整理)については、とくにアメリカにおける議論などの分析を通じ、インサイダー取引の定義づけの作業(すなわち構成要素の抽出)に入る前にそもそも定義づけることの困難さや弊害を明らかすることが極めて重要であると考えるに至った。きらに、近時のインサイダー取引の問題状況を眺めるなかで、インサイダー取引がいつ頃から認識・問題化されはじめたか、といつた歴史的なアプローチを採り入れる必要性を強く感じた。これは、インサイダー取引が未た法による規制を受ける前の状況を探るというもので、初期の取引に構成要素の核心が見られるのではないか、という示唆を得たからである。これら上記の示唆は、今後作成される論文において積極的に言及していきたい。
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