2009 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット上の仮想空間における創作成果物の法的保護のあり方に関する基礎的研究
Project/Area Number |
21730102
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平嶋 竜太 University of Tsukuba, 大学院・ビジネス科学研究科, 准教授 (70302792)
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Keywords | インターネット / メタバース / アバター / 知的財産法 / 情報財取引 / パブリシティ権 / プロバイダ責任制限法 / 間接侵害 |
Research Abstract |
本研究は、インターネット上の(三次元)仮想空間(メタバース)内において創作され、使用される多様な創作物の法的保護のあり方について、その現状を調査研究及び知的財産法理論の観点から法的保護の今後の方向性を明らかにすることを目的とする。とりわけ、1)仮想空間内で活動する個人を表象する存在である創作物、仮想空間内で創作されたデザインや商標等の創作物についての法的位置付け、2)創作物の法的保護を巡って生じうる仮想空間運営者の法的責任、に大別して重点的に研究・解明することを主たる研究目的とする。本研究の実施計画の流れは、(1)研究資料の収集とその充実、(2)資料分析、詳細検討項目の明確化と整理、(3)各詳細検討項目の研究、(4)各詳細検討項目を統合させた総合的検討と追加的研究項目の抽出、(5)最終的な取りまとめ、の各段階に分類できる。平成21年度は、(1)及び(2)の段階を中心に実施する計画としていた。(1)については、法的検討を進める基礎となる知的財産法諸法、民事法一般を中心として法律文献の収集と共に、メタバースの技術的構造及び特性、利用態様に関する文献収集の充実に努めた。また、情報経済学、経済心理学の文献、インターネットビジネスに関する経営学関係文献、ネット社会に関する情報社会学関係文献、といった関連学問領域における研究状況に関する幅広い文献収集にも留意した。(2)について、平成21年度における中間的な成果としては、1)仮想空間における個人を表象する存在であるアバターを巡る法的取扱いにおけるパブリシティ権を参照することの重要性、2)仮想空間におけるデザインや標識と現行意匠法及び商標法との適合の限界の明確化、3)仮想空間運営者の法的責任と著作権法における間接侵害理論の対応関係の分析、といった事項を明らかにした。平成22年度においては、(2)の成果を基にさらに(3)以下の段階の研究を進める計画である。
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Research Products
(1 results)