2009 Fiscal Year Annual Research Report
日・米・英における弁護士の公益活動-その理論と実践
Project/Area Number |
21730108
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石田 京子 Waseda University, 法学学術院, 助教 (10453987)
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Keywords | 法曹論 / 法社会学 / 比較法 |
Research Abstract |
本研究は、弁護士の公益活動について、その理論的根拠および実践のあり方を検討することを目的としたものである。平成16年に制定された弁護士の行為規範である弁護士職務基本規程第8条は、公益活動を実践する弁護士の義務を規定しているが、公務員ではない私人であるところの弁護士が、公益活動を行う義務を負うのは何故だうか。その理論的根拠を日本、米国、英国の文献から検討し、また、現実に今日、弁護士は自らに課された責任をどのように果たしているのか、平成21年から3年間、日本、米国、英国の状況について調査を行い、比較法社会学的考察を行うことを予定している。 平成21年度は、(1)基礎資料の収集、(2)試験的インタビューの実施、(3)質問票の作成、(4)研究成果の公表を予定していた。まず、予定していたインタビュー対象者の都合により、国内でのヒアリングは平成22年度に持ち越し、このため英文による論文公表も次年度に延期することとなった。しかし、インタビューのための支出を予定していた旅費および謝金分によって、平成22年度購入予定であった英国の公益活動に関する文献を前倒しで購入し、文献調査については予定を早めることができた。研究成果については、平成22年度の出版を目標としている米国の公益活動に関する代表的研究書、Deborah Rhode著『プロボノの理論と実践(Pro Bono inPrinGiple and inPractice』の翻訳が平成21年3月の時点でほぼ完了したことが最も大きな成果となった。平成22年度は、本翻訳本の出版に加えて、5月にはLaw and Society Associationでの研究報告を行うことを予定しているが、これらに加えて平成21年度に蓄積した基礎的研究の成果を日本語英話で公表するとともに、積極的に実務家へのインタビューを行い、より深い知見を得ることを目標としている。
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