2011 Fiscal Year Annual Research Report
日・米・英における弁護士の公益活動-その理論と実践
Project/Area Number |
21730108
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
石田 京子 早稲田大学, 法学学術院, 助教 (10453987)
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Keywords | 法曹倫理 / 法曹論 / 比較法 / 司法アクセス / 公益活動 / 法社会学 |
Research Abstract |
本研究は、弁護士の公益活動について、その理論的根拠および実践のあり方を検討することを目的としたものである。平成22年度は、基礎的な文献調査を基調とした平成21年度の研究活動を基礎とし、前年の研究成果の公表および日本と米国における公益活動の実際についての調査を行った。最終年度である平成23年度は、前年度の調査の積み残しであった米国の弁護士のプロボノ活動に関する調査に加えて、英国のソリシタのプロボノ活動に関する調査を行い、研究成果の公表に取り掛かる予定であった。 平成23年6月から9月にかけて申請者が出産のため産休を取得し、復帰後も海外出張が困難な状況にあったため、申請時に「研究が予定通りに進まなかった場合の代替的計画」として記載していた通り、インタビューに変えて申請者の興味関心の根本部分について論じている拙著を英国、米国の法曹倫理研究者に配布し、その上で本調査に関するコメントを求めることとした。郵送が年度末となってしまったため、まだ回答を得ていない対象者も多いが、一部からは有益なコメントを得ることができた。加えて、英国のソリシタの状況につき、文献をもととした調査を行った。 さらには、東日本大震災における法律家の役割が日本において注目を集める中、参考になるであろうケース・スタディとして、ハリケーン・カトリーナがニューオリンズ一帯を襲った際に米国の弁護士がどのような役割を果たしてきたのか、文敵を中心に調査検討を行った。特に、緊急時において通常のプラクティスとは異なる行為規範が採られる点があるのかどうか、また、災害時における弁護士の倫理の特徴的な部分は何であるかに焦点を当てて検討を進めた。 上記の英国の状況および米国の災害時の弁護士の倫理に関する考察については、可能な限り速やかに、学会報告および論文発表の形で公表を行う予定である。
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