2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730111
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松崎 俊作 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特任研究員 (70456143)
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Keywords | 政策評価 / 臨床研修制度 / 医療政策 / 規範的評価 |
Research Abstract |
(1)岡山県内の二病院(県南・県北それぞれ一病院)において,医師(初期研修医・後期研修医・指導医など)およびその他医療従事者(看護師・薬剤師・理学療法士・事務など)合計40名程度に対してインタビュー調査による定性的分析を実施するとともに,文献による定量的分析を試みた.この結果,現場の医療機関レベル(コンテクストレベル)においては,医師としての専門性・自立性といった観点から好意的評価が支配的であることが明らかとなった.以上より,第一段階の評価は完了した. (2)まず,新制度が影響したとされる問題・論点について文献調査やコンテクストレベルでのインタビューを元にリストアップし,これらをKJ法により整理・構造化した.その上で各々のイシュー間の因果関係を推定し,仮説形成を試みた.しかしながら,新医師臨床研修制度による社会への影響についての仮説構築は,専門家・文献著者らの事実認識に相当程度規範が深く関係していることが判明した.これにより,仮説構築のための聞き取り調査およびその質問項目だけでは望ましい社会・医療像の仮説構築が不可能であることがわかり,急遽新たな調査計画書およびインタビューガイドを作成し,聞き取り調査の追加のための調査協力者確保を行う必要が生じた.そこで改めて実施した専門家・有識者へのインタビュー(7件)に基づいて,新制度を構成するマッチングとスーパーローテートそれぞれについて因果関係および論点に関する仮説を形成した. (3)現時点では,これまでのインタビュー調査および文献調査に基づいて,「医師の私的性格-公的性格」と「平等性-効率性」という2つの軸による平面上に「望ましい」医療制度や現行制度(日本・アメリカ・イギリス・スウェーデン)を配置するという仮説・分析方法を確定するに至っている.
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Research Products
(1 results)