2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730118
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
秋吉 貴雄 Kumamoto University, 大学院・社会文化科学研究科, 准教授 (50332862)
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Keywords | 政治学 / 政策研究 / 技術革新 |
Research Abstract |
21年度は、研究初年度として、まず政策学習に関する理論研究を行った。そこでは、従来の研究で見落とされてきた、(1)認識共同体の構造、(2)技術の学習メカニズム、(3)学習のプロセス、という3つの点を甲心にサーベイを行った。 具体的には、認識共同体の構造については、ハーズの代表的研究について再整理した上で、専門知と政治に関する研究や、官僚制度における知識に関する研究を広く参照しながら、アクターの構成、共同体形成の場の特性、等についての考察を行っていった。また、技術の学習メカニズムについては、同分野での研究蓄積のある経営学において、特に一橋大学グループによる技術革新のマネジメントに関する研究も広く参照しながら、知識の受容過程に関して考察を行った。そして、学習のプロセスに関しては、ホールの社会的学習に関する研究について、ペンバートンらの批判的研究も広く参照しながら、制度的要因が学習にどのような影響を及ぼすかということについて考察を行った。これらの理論研究の成果の一部については、日本公共政策学会において研究報告を行った。 そして、21年度は事例研究の予備段階の研究として、電気通信産業における第一次規制改革過程の日英比較分析を行った。そこでは、同様の産業状況にあった両国において、民営化による規制改革がどのように進められ、どのような差異が生じたかということに関して分析を行い、その制度的要因を検討した。同研究は熊本大学社会文化研究に学術論文として掲載された。研究のアウトプットということ以上に、個別事例研究及び比較研究の分析フレームワークの構築につながるものであったと思われる。
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