2009 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ政党政治の「マルチレベル化」の考察-領域性再編と政党モデル変容の検証
Project/Area Number |
21730123
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
伊藤 武 Senshu University, 法学部, 准教授 (70302784)
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Keywords | 領域性 / 領域性再編 / 政党 / 政党システム / ヨーロッパ / マルチレベル・ガバナンス / 移民 / 福祉国家 |
Research Abstract |
本研究は、領域性の再編が政党モテルに及ほす影響を検証するため、ヨーロッパの地域的バラエティーを考慮した事例を対象に、政党をマルチレベルな構造からなる組織モデル(ナショナル・リージョナル・ローカル+ヨーロッパの各レベル)と捉え、各レベル間のバランスに起きている変化を考察する。 本年度は、計画初年度の作業として、領域性再編と政党政治の関係に関する理論的基礎となる文献を調査した他、予備的な実証分析として領域性再編が政策的変化に現れる過程について政党政治との関係に注目した分析を行った。具体的には、年金改革の比較において、イタリアでは経済的左右対立とは違って通常この争点では表面化しにくい領域性の亀裂が表面化し、与野党を横断した対立軸を形成したことが改革内容に反映したことを明らかにした。その他としては、来年度刊行予定の論文において、移民ケア労働者導入を巡る対立軸が同様のダイナミズムから社会経済的対立軸から外れた政党政治の領域的対立軸によって左右された過程を分析した。このような分析を通じて、実際ヨーロッパの政党が経験している「マルチレベル化」(分権化)と集権化の相克する多面的な構造変容を理解することを目指してきた。初年度の作業を通じて、全国レベルの政党システム構造は、単なる地域政党の浮上にとどまらない形で領域性再編の動きを受けた亀裂構造の変容を反映していることが分かった。
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Research Products
(3 results)