2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヨーロッパ政党政治の「マルチレベル化」の考察-領域性再編と政党モデル変容の検証
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21730123
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
伊藤 武 専修大学, 法学部, 准教授 (70302784)
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Keywords | 領域性 / 政党政治 / マルチレベル / ヨーロッパ |
Research Abstract |
本研究は、領域性の再編が政党モデルに及ぼす影響を検証するため、ヨーロッパの地域的バラエティーを考慮した事例を対象に、政党をマルチレベルな構造からなる組織モデル(ナショナル・リージョナル・ローカル+ヨーロッパの各レベル)と捉え、各レベル間のバランスに起きている変化を考察する。このような分析を通じて、実際ヨーロッパの政党が経験している「マルチレベル化」(分権化)と集権化の相克する多面的な構造変容を理解することを目指す。このような考察は、ポスト・カルテル政党の新たな政党モデルについて示唆を与えるとともに、「領域性の多様性(varieties of territoriality)」論として政党構造の観点からヨーロッパ比較政治に新たな比較の視角を導入できると期待する。 計画3年目にあたる本年度は、過去2年度の準備作業に基づき修正した研究方針の下、補足の調査・インタビューを行うと同時に、理論枠組と具体的分析の検討を進めながら、最終成果の準備を進めた。(1)理論的枠組の構築としては、前年の予備的報告から浮上した実質的分析・理論的枠組を具体的化し、政治学関連、ヨーロッパ政治関連研究の消化、データ収集をさらに進め、論文の理論的枠組の構築を図った。(2)補足的実証調査としては、11月にイタリアにおいて州レベルの政党関係者へのインタビューを実施して、マルチレベルな政党政治の変容について資料を集めた。(3)中間成果としては、6月(ヨーロッパ研究評議会)、8月(ヨーロッパ政治学会)、9月(アメリカ政治学会)などの国際学会において、関連研究に関する成果報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
領域性と政党政治の関係について、特に福祉政策などの政策的観点、政党組織などの代表制構造の観点から接近するべく作業を進めたが、インタビュー調査も継続的に実施することができ資料も集まったと同時に、中間成果を一連の国際学会や論文集に当初の予期以上に発表することができ、関連研究者のレビューを受けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
領域性と政党政治との関係について、分野ごとに行ってきた中間成果をまとめて、全体的な論文を執筆するのが本年度の課題である。必要ならば、最終的な補足調査や資料収集を行うことも考慮する。 以上の成果を国際学会や国内研究会などで発表して、研究水準の改善に努めるとともに、関連ジャーナルなどへの投稿など、成果公開を目指す。
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Research Products
(8 results)