2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730128
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
久保 慶一 Waseda University, 政治経済学術院, 准教授 (30366976)
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Keywords | 政治学 / 比較政治 / 政党 / 旧ユーゴスラビア |
Research Abstract |
本研究は、比較政治学の理論的枠組みにもとついて、旧ユーゴスラビア諸国における政党の内部構造と機能を明らかにすることを目的とし、(1)政党の内部構造、(2)議会における議員の行動、(3)政党の機能という三つの点で旧ユーゴ諸国の事例の比較分析を行うことを目指している。平成21年度は、平成21年9月にクロアチア及びボスニア、平成22年2月にセルビア及びコソボをそれぞれ訪問し、現地調査を実施し、一次資料やデータの収集、ならびに研究者や政党関係者に対する聞き取り調査を実施した。これらの現地調査により、クロアチア、ボスニア、セルピア、コソボの4ヶ国について、とくに(1)主要政党の党規約など、党制度を規定する基本文書、(2)党首選の結果や党首交代の内情など、党首の決定・交代に関わる資料、(3)政党関連法という3種類の資料の収集において大きな成果を得ることができた。またこれらの国々の研究者や政党関係者に対する聞き取り調査を通じて、各国の諸政党の内部構造と機能について、深い洞察を得ることができた。 これらの資料をもとにした旧ユーゴ諸国間の比較分析はまだ世界でもほとんど行われておらず、比較政治学の理論的枠組みにもとづく比較分析のための一次資料の整備を進めることができたのが平成21年度の最大の成果である。ただ、平成21年度は旧ユーゴ諸国の全7ヶ国を訪問し現地調査を実施することを予定していたが、日程調整の困難により、スロベニア、マケドニア、モンテネグロは訪問することができなかった。そのため、これら3ヶ国の資料収集については平成22年度に予定している追加的資料収集のための現地調査の際に重点的に資料を集めることを予定している。平成21年度に収集した資料の本格的な分析は、平成22年度に実施する予定である。
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