2010 Fiscal Year Annual Research Report
成長モデルのコンテクストにおける日本の労働市場の変化と90年代政策の影響の分析
Project/Area Number |
21730152
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
ESTEBAN P Julen 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (60376572)
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Keywords | Japanese Labor Market / Unemployment / Age-dependent labor market outcomes / Worker Flows / Search and Matching / Life Cycle |
Research Abstract |
本年度は研究プロジェクトに関する3論文を完成した。 本プロジェクトの主要要素は労働市場の詳細データ分析に基づく日本経済の労働力の流れに関する事実の把握であり、"Changes in Japan's Labor Market Flows due to the Lost Decade"(中嶋亮氏、田中隆一氏と共著)というタイトルの論文で発表した。この論文では、労働市場のフローが1990年代に変化し、その殆どが「失われた十年」前の状態に回復していない点を指摘した。この分析結果に伴い提起された多くの疑問は、研究者および政策立案者による今後の研究で明らかにされるべきである。 次の論文は、前述の分析に構築されたデータを基に、景気循環に関する分析において日本の労働市場の研究にどのようなモデルが適しているかを理解するものであり、"Japan's Labor Market Cyclicality and the Vblatility Puzzle"(中嶋亮氏、田中隆一氏と共著)というタイトルで発表した。この論文では米国市場同様、マクロ経済の文献に用いられる標準的なモデルには日本市場に不向きなものがあり、モデルには日本特有の要素が含まれるべきという点を指摘している。] 最後に、"Life-Cycle Search, Match Quality and Japan's Labor Market"(藤本淳一氏と共著)を完成した。この論文では1990年代の不況による失業率、就職状況、年齢別の雇用者の離婚率などの異なる影響について述べている。1990年代の変化に起因する生産性の低下の説明、および年配労働者は再雇用率が特に低いことからより安定した雇用保証が求められる点が分析モデルによって示されている。
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Research Products
(4 results)