2012 Fiscal Year Annual Research Report
文明観としての経済思想の変容:J.S.ミル、シジウィック、ケインズを通じて
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21730168
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
中井 大介 近畿大学, 経済学部, 准教授 (70454634)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 経済思想 / ミル / シジウィック / マーシャル |
Research Abstract |
本年度に刊行した論文は、書評論文を含めて下記①-③の計3点である。①では、J.S.ミルとシジウィックを比較するかたちで、18世紀末から19世紀におけるイギリスにおける近代功利主義思想の形成について論じた。②では、ヘンリー・シジウィックの展開した功利主義経済思想の現代的意義を、経済誌という媒体を通じて、広く一般の読者を対象としたかたちで簡明に論じた。以上の①および②では、現代においては批判的文脈で取り上げられることの多い功利主義が、本来有する積極的意義ないしその可能性について歴史的文脈に照らして論じた。③では、Steven G. Medemaによる、政府の経済的介入の是非に関する議論の歴史的経緯を論じた重要な専門文献に対する英文書評論文である。 学術報告1件は、ニューヨーク大学で開催された国際功利主義学会第12回大会(The International Society for Utilitarian Studies)における報告であり(下記④)、ベンサム、J.S.ミル、およびシジウィックを軸とした功利主義経済思想の変遷について論じた。その内容の一部は、①として刊行された。 図書は、2013年刊行予定の2点であり、それぞれ分担執筆の専門図書の1章として構成されたものである。下記⑤は、拙著『功利主義と経済学』(2009年刊)をベースとしながら、ケンブリッジ学派の形成におけるシジウィックの役割を再構成したものである。下記⑥は、最も重要な経済学者の一人と目されるアルフレッド・マーシャルの経済思想にミルが与えた影響を通じて、マーシャルの長期的な人間性の発展という特徴的なビジョンのルーツが、ミルにあったことを論じた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)