2012 Fiscal Year Annual Research Report
パテントプールにおける利得配分問題:提携形成、研究開発投資、効率性
Project/Area Number |
21730183
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
渡邊 直樹 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20378954)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 交渉解 / 提携構造 / 寡占 |
Research Abstract |
(1)シャプレー値は、パテントプールにおける利得配分に対して適用される交渉解として、頻繁に採用されてきた。しかし、市場においてパテントプールに含まれない技術を使用する企業も存在する場合、適用されるべきは標準的なシャプレー値ではなく、提携構造を伴うシャプレー値である。本研究の重要な成果は、パテントプールそのものの分析ではないが、提携構造付きシャプレー値の適用が分析にふさわしくない性質を持つことが判ったことである。具体的に言うと、寡占市場下の特許技術のライセンス交渉では、提携構造付きシャプレー値は安定的な交渉結果をもたらすわけではなく、むしろ、交渉プロセスによっては妥結し得ない配分案を提案してしまう可能性が指摘された。 (2)パテントプールにおける利得配分を重み付き投票によって決定する状況を想定し、その被験者実験を実施した。研究成果は次の通りである。以下では、投票者の集まりを提携といい、議案が採択された提携を提携勝利という。(1)勝利提携における投票者の数は極小である。つまり、一人でもその提携から抜けると勝利提携ではなくなる(Size Principleの確認)。(2)勝利提携の生起頻度は個別投票者の提携に対する選好順序をボルダルールによって集計した社会的選好順序に従うことがある。(3)個別投票者の提携に対する選好は、各提携が勝利提携となった時、その提携内で自己が持つ相対的票数に依存する。(4)人々は、当初、提携内での相対的票数が自身の投票力である(Gamsonの法則)と認識する。(5)しかし、提携間で投票者の引き抜き合いがあり、この競争によって、Gamsonの法則は崩れ、個別投票者は提携に対する選好順序を改訂する。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)