2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730194
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
大久保 敏弘 慶應義塾大学, 経済学部, 准教授 (80510255)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 企業の異質性 / 国際貿易 / 空間経済 / 生産性 / セレクションメカニズム |
Research Abstract |
最終年度にあたる今年度は総括とさらなる深化と拡張の観点で研究を行った。理論論文では例えば、Baldwin=Okubo(2006)を3国に応用し、貿易自由化の効果と国の大きさとの関係を分析したForslid=Okubo(2012)がモデルの改良を行った後、最終的にEERに採択・刊行された。さらに企業の生産性の異質性のみならず、地域の異質性や産業の異質性も考慮した貿易理論あるいは空間経済理論を作り、ミクロデータを用いた実証研究も行った。Akerman=Forslid=Okubo(2013)ではMelitzモデルに広告・宣伝費用を入れて理論を拡張し仮説を立てたうえで、ミクロデータを用い、計量分析した結果、広告集約的産業と非集約的な産業では輸出や海外進出の度合が大きく異なることが分かった。またOkubo=Tomiura(2013)では個票データを用いて分析した結果、地域間(日本の都道府県間)で輸出行動が大きく異なり、都市部では輸出プレミアムが小さく、周辺に行けばいくほどプレミアムが高くなることを発見し、従来の生産性による自己選抜効果、具体的には国際貿易で言われてきた生産性による自己選抜効果(Melitz、2003)とは違うメカニズムが特に都市部(東京や大阪)で働いていることを解明した。さらに、Baldwin=Okubo(2006)で示したように異質な生産性をもつ企業は自己の生産性で空間的にSortingされ、個々の企業立地が決まるが、環境行動にも影響することが分かった。例えばCole=Elliott=Okubo=Ying(2013)では60~100㎞圏内の企業同士が同じような環境行動(CO2排出)をとり空間的に相関することが分かった。しかし、これらの知見は第一歩にすぎず、今後さらに精緻化と一般化が必要である。例えば、空間計量を用いた研究や個別具体的な政策研究をなどである。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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