Research Abstract |
平成21年度は,研究計画で示した二つの研究課題(1.「医師誘発需要の波及効果に関する実証分析」,2.「医療需要における事後的モラルハザードの推計」)のうち,1の「医師誘発需要の波及効果に関する実証分析」分析を中心的に行う予定であった。具体的には,研究計画で示したように,情報公開制度を利用して,生活保護関係および国民健康保険関係の市区町村別データの公開を,厚生労働省の担当部署に申請した。国民健康保険関係の市区町村別データに関しては,無事に申請が認められ,分析に必要なデータを入手することができたが,生活保護関係のデータに関しては,厚生労働省保護課の職員の方より,「集計上の理由で,そちらが望むようなデータは提供することができない」,という旨の回答を受けたため,分析に必要なデータをそろえることができなかった。しかしながら,その回答の際に,「調査票の利用申請を行うことによって,そちらが必要なデータを整備することができると思われる」,という旨の助言をいただいたので,実際の調査票などを調べ,データの利用申請や研究計画に関する書類の準備に取り掛かった。加えて,調査票の利用申請に関する書類を見ていた際に,当初予定していた「国民健康保険と医療扶助(生活保護制度)に関する分析」よりも,他の医療保険の情報も含んだ一般的な分析を行える可能性を見出したため,別統計(厚生労働省が管理する社会医療診療行為別調査のデータ)の申請を行う準備に取り掛かった。
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