2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730216
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大橋 忠宏 Hirosaki University, 人文学部, 准教授 (70312478)
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Keywords | 政策研究 / 航空輸送 |
Research Abstract |
本研究の目的は,ネットワークレベルで航空旅客市場を扱い,路線参入や空港整備等の航空政策の効果を実証的に検討することにある.平成21年度は欧米等の事例で指摘されている航空旅客輸送の諸特性について,先行研究をレビューすると共に,日本を対象に実証的に検証するためのデータ整備を進め,日本の国内航空旅客市場の特性について検討を行った. 具体的には,利用データについては次の通りである.国内航空旅客輸送について移動実態については,国土交通省により行われている全国旅客純流動調査(5年毎)が利用可能であり,分析データの作成では,規制緩和が行われた直後の2000年(第3回調査)と最新の2005年(第4回調査)の50ゾーン間(46都府県+北海道4ゾーン)のものを利用した.この他,JTB時刻表(2000年,2005年の分)及び国勢調査の人口データ等も分析データとして利用している. モデルの基本的理論構造については,米国国内航空旅客市場を対象としたBrueckner and Spiller(1994)を援用している.関数特定化については,輸送密度の経済性検証のためのさまざまな関数形を想定したデータセットを作成した.また,特定の空港での容量問題などについては運航時間に反映させるような特定化も可能ではあるが簡単のため,羽田空港利用路線かなどのダミー変数を導入した. 以上のような設定の下でモデルの推定作業を続けている.なお,ここまでの分析過程でデータ構築上の幾つかの問題も明らかとなっており,引き続き分析方法等についての検討もあわせて行っている.
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