2009 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国の中国省別・地域別貿易に関する調査研究
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21730219
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
宮島 良明 Hokkai-Gakuen University, 経済学部, 講師 (90376632)
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Keywords | 中国貿易 / ASEAN貿易 / 大メコン圏(GMS) / 国境貿易 / 国境経済圏 / 経済回廊 / CLMV開発 |
Research Abstract |
*本研究は、2000年以降とくに顕著となった中国の台頭が、東アジア地域、とくに東南アジア諸国(ASEAN加盟国)の貿易にどのような影響を及ぼしたのか、貿易データを用いて分析し、明らかにしようとするものである。 *本年度は、貿易データの解析を進るとともに、関連資料の収集に注力した。具体的には、貿易の電子データ(World Trade Atlas)を用い、中国の各省・地域と東南アジア諸国との貿易について、取引される上位品目を輸送手段別(陸路、海路(上海などを経由)、空路)にHSコード4桁分類で分析を行った。また同時に、東南アジア諸国と中国との貿易に関する最新の動向を把握するため、シンガポールおよびマレーシア・クアラルンプールにおいて、貿易関連資料の収集、関連機関・企業での聞き取り調査など、現地調査を実施した。 *その結果、(1)先発ASEANは、上海市や深セン市など、沿岸地域の主要貿易都市との貿易が活発である一方、CLMVは、中国南部地域、雲南省の昆明市や広西省チワン族自治区の南寧市との貿易関係が相対的に大きいこと、(2)CLMVと中国南部地域(昆明市、南寧市)との貿易では、CLMVから中国南部地域へ木材や天然ゴムなどの天然資源が輸出され、逆に中国南部地域からCLMVへは工業製品が輸出されるという、典型的な垂直貿易が展開されていること、(3)ただし、ベトナムは深セン市との間に見られるように、IT関連製品の「水平分業」的な貿易構造の中に参画しつつあること、がわかった。 *これらの詳細に関しては、中間報告として日本タイ学会第11回研究大会(2009年7月4日、京都大学)にて発表を行った。
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