2009 Fiscal Year Annual Research Report
ソ連・ロシアにおける地域工業化過程の歴史的計量分析
Project/Area Number |
21730221
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
雲 和広 Hitotsubashi University, 経済研究所, 准教授 (70314896)
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Keywords | ロシア / ソ連 / 地域開発 / 集積の経済 / 人口動態 |
Research Abstract |
本研究は,ソ連・ロシアにおける地域間労働力配置の変化と産業立地との同時性を鑑み政府主導による地域開発の限界と新たな展望を見いだすことを試みるとともに,(労働及び資本という)生産要素移動費用・集積の経済と地域経済成長との相互関係を,西欧諸国とは対局的な事例と捉え得るロシアを対象とした実証分析を進める事で明らかにすることを意図したものである. 平成21年度においては,ソ連時代のロシア共和国そして中央アジアの旧連邦構成共和国に関するデータベースを作成し,そのレビューを行った.それによりロシア極東地域の人口動態と経済活動との同時性を検討したのがЭкономика Российского Далънвго Востока и Северо-Восточноя Азия (Economic Situations in the Russian Far East and North-East Asia), in Japanese Slavic and East European Studies, vo.29,であり,これは既にロシア本国の学術雑誌においても引用されている.そして中央アジア諸国における人口動態と経済活動の推移の把握を試みたのが「中央アジア地域の人的資源と社会状況:ロシアとの経済連関」,『現代中央アジア・ロシア移民論』(堀江典生編,ミネルヴァ書房)である. また帝政期データ・ソ連政府アーカイブ資料から現行ロシア連邦領域の長期人口統計系列を作成し,それはGoogle社のプロジェクト『Gapminder World』において,ロシアの出生率のデータソースとして利用されるに至った.
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