2010 Fiscal Year Annual Research Report
環境負荷を考慮した複数の都市間交通機関の社会的生産効率性の国際比較分析
Project/Area Number |
21730224
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
吉田 雄一朗 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (70339919)
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Keywords | 経済政策 / 社会的効率性 / 交通機関選択 / 環境外部性 |
Research Abstract |
平成22年度においては、日中韓における都市間交通機関の社会的生産効率性計測実施につなげるため、3カ国についてのデータ構築及び予備的な計測を実施した。ブリティッシュコロンビア大学Anming Zhang教授、仁荷大学Hun Koo Ha教授との共同研究体制を構築し、共著による"Comparative Analysis of Efficiency for Major Northeast Asia Airports"を発表、日中韓主要空港を対象にData cnvclopment analysisを用いて産出効率性を計測した結果、規制緩和と効率性の改善との間に一定の相関が見られることがわかった。日本の航空及び鉄道のサービス供給におけるCO2排出を考慮した効率性についての分析では、Slacks-based inefficiency measures手法により計測した結果、利用者の時間価値が十分に高いときには、航空も効率的な都市間交通手段たりえることを発見した。 その他、関連する研究の成果として以下があげられる。 Technical Efficiency, Regulation, and Heterogeneity in Japanese Airportsにおいては、日本の空港の投入産出についてのパネルデータを用い、比較静学的にその生産技術の進歩を計測した。 Comparative Analysis of Efficiency for Major Northeast Asia Airportsではアジアの空港の生産効率性を2000~2005年までのパネルデータを用い、random stochastic frontier modelにより計測した。 Effciency Measurement Theory and its Application to Airport Benchmarkingでは、規制緩和と歩を一にして歩んで来た航空産業における生産効率性の測定の研究成果をその理論的なベースごとに分類し、また、実際に得られた各国の測定結果を時系列的にレビューした。 また"Pricing, Capacity, and Construction Boundary of a Congestible Highway with an Elastic Demand ; Social Optimum, Second Best, Privatization, and Vertical Disintegration"では、都市間交通の規範的分析として単一中心都市理論を用いて1次元の空間モデルを構築し、そこでの高速道路の容量や価格制度について分析した。分析したケースは、最適な政策、対距離課金制度のもとでの次善の政策、民営化、上下分離などの影響である。さらに常磐道のデータをパラメータとして用いて数値シミュレーションも行い、価格制度よりも容量が社会構成に与える影響が大きいという結果を得た。
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