2009 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロデータを活用したサブプライムローンの融資実態に関する実証研究
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21730226
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
豊福 裕二 Mie University, 人文学部, 准教授 (70345966)
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Keywords | サブプライムローン / デフォルト / 住宅市場 / アメリカ経済 |
Research Abstract |
サブプライムローンのデフォルト率に関するデータとして、Mortgage Bankers Associationが収集しているNational Delinquency Surveyの1998年以降の全時系列データを入手した。これにより、金利種別(変動金利・固定金利)、融資格付別(サブプライム・プライム)のデフォルト率の推移を州別に比較することが可能となった。分析の結果、同じ高デフォルト率の地域でも、五大湖周辺地域と西海岸および北東部諸州とではデフォルト率の上昇時期に若干のタイムラグがあること、また、支払遅延率の上昇が必ずしも差し押さえ比率の上昇に結びついていない地域が存在するなど、サブプライムローンのデフォルトの地域的相違が浮き彫りになってきた。また、新たにハードウェアとソフトウェアを整備したことにより、以前はその膨大なデータ量ゆえに困難であった住宅モーゲージ情報開示法(HMDA)に基づく開示データの全国集計・分析が可能となった。今年度は、上記のような地域的特徴が、金融機関の融資行動とどのように相関しているかを検証するため、HMDAデータの金融機関別の集計を行い、地域別の融資目的や借り手の属性等について分析を進めた。今年度は未だ分析途上であるが、商業銀行の子会社とサブプライムローン専業の金融会社との相違など、先行研究では明らかにされていない事実が浮き彫りになりつつある。この研究成果については、中間報告として、和歌山大学の研究ユニットである土地政策研究会において、「サブプライムローンの融資構造-金融機関の融資データの分析-」というタイトルで報告を行った。
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Research Products
(3 results)