2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730231
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
濱口 泰代 名古屋市立大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70399038)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 実験経済学 |
Research Abstract |
本年度も前年度に引き続き,被験者に対して高い利得を得るためには罰金がかかるリスクが伴うような選択肢を与えて実験を行った.基礎とする理論モデルは,2人の繰り返し囚人のジレンマゲームであり,2人が協調しあうことによって高い利得がもたらされるが,その場合には確立的に罰金がかかるように設定した.さらに,カルテル発覚前に内部告発を行えば罰金が免除されるリーニエンシー制度についても実験した. 被験者は誰が自分のペアかはわからないが,実験中の1つの繰り返しゲームの間は同じペアとプレーしていることが約束され,そのペアの相手とだけコンピュータ上でチャットができるようにし,自由に談合の相談を行うことができるようにした.このような相談の機会を設けることは,理論的にはコミュニケーションが,協力的な均衡へ導くための強い誘因になりうるかどうかを調べることであった.ペアによって差はあるものの,コミュニケーションの内容は高価格を維持することを約束するものであり,コミュニケーションが上手くいっているペアの多くは,長期間高い価格維持に成功していた. リーニエンシー制度を導入した実験については,この制度がカルテルを崩壊させる効果があることが実験で観察された.ただし,リーニエンシー制度が導入されたとしても,カルテルの形成を未然に抑止する効果は弱いことが分かった.カルテル形成後,被験者はリーニエンシー制度を利用することによってペアを裏切り,結局はカルテルが維持される確率が低くなるという結果を得た. 今年度に行った実験は,昨年度までに蓄積したデータの分析結果と矛盾することのない結果であった.データを十分に増やすことによって,より統計的に明確な結果を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)