2010 Fiscal Year Annual Research Report
ロシアの住宅市場形成―住宅価格の決定要因と地域特性、住生活改善への影響を探る―
Project/Area Number |
21730232
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
道上 真有 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30527693)
|
Keywords | ロシア経済 / 住宅市場 / 住宅政策 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
日本および世界的にもまだ研究蓄積が乏しいロシアの住宅市場研究に取り組み、研究成果を発表するとともに、住宅市場の発達と住宅政策の実施が住民の居住環境変化に与える影響と住宅価格の決定要因について分析を進め、必要な情報・資料収集と研究を進展させた。具体的な実施成果は次のようになる。モスクワの住宅市場について継続調査を行い、金融危機後の影響とその回復状況について資料収集および研究者、専門家とのインタビュー、情報交換等を実施した。また、協力研究者らが所属する科学アカデミー地理学研究所主催の国際コンファレンスに参加し、ロシアと日本の住宅政策・市場・住宅取得可能性についての比較研究成果を発表した。日露の住宅市場比較については世界でも数少ない研究であり、発表論文(英語)は国際コンファレンス論文集にも掲載された。この成果の一部については、日本語でもワーキングペーパーとして発表した。次に、ポーランドでの国際コンファレンスに参加し、日露経済関係の現状と絡めて本研究の成果を発表するとともに、ロシアの住宅建設業を支えるEU東欧諸国の資本、労働面での寄与について情報収集を行うことができた。この発表論文(英語)も国際コンファレンス論文集に掲載された。さらに、グループ研究の分担研究と本研究との協同成果の一つとして、ロシア企業調査をもとにソ連からロシアにかけての企業社宅の現状と従業員住宅取得の現状との関係についても研究を行い、国際コンファレンスにて研究成果発表を行った。最後に本年度の研究総括として、ロシア、特にモスクワ市の住宅市場動向と住宅取得可能性の変化および住宅政策目標との不整合性について、金融危機の影響も加えて分析しその研究成果を英語査読論文としてFar Eastern Studies誌に投稿し、査読を経て掲載された。
|