2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730239
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
本西 泰三 関西大学, 経済学部, 教授 (90315218)
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Keywords | 東アジア / 為替 / 世代間 / 移転 / 金融 |
Research Abstract |
東アジアにおける通貨危機や,近年の為替の変動を背景に,通貨市場の政策分析の意義が高まっているが,為替レートの合理的水準に関する分析は十分とは言えない.本稿では,特に東アジアを中心に,適切な為替レートの水準に関する定量分析および,適切な通貨制度の分析を行う.パネルデータを用いた分析を行う点,及び,為替レートに関する定量分析に基づいた政策提言を行う点に,本研究の特色と意義がある. また、金融政策を理解する上では、貯蓄率や年金制度に着目することも重要である。一方、近年高齢者世代を支える方法が各国で重要な課題になっているが、世代間の相互扶助については十分な分析が行われていない。しかしこの相互扶助は、一刻の貯蓄率や年金制度を考える上で、大変重要な役割を果たしている。この観点から、今年度より世代間移転の大きさを推計する研究も同時に行うこととなった。 為替のMisalignmentに関する研究を、"Are the East Asian Currencies Still Misaligned?An Analysis Based on Absolute PPP-Income Relationship Using Panel Data"にまとめ、Asian Economic Journalに投稿したが、残念ながら採択には至らなかった。特にモデルの理論的基礎について固める方向で改定を行ってきたが、残念ながらその部分はあまり評価されず、計量手法の問題点が指摘された。この研究には、モデルの設定を含め、根本的に見直す必要がある可能性があり、今後その方法を検討していく予定である。 一方、世代間移転の大きさを推計する研究については、日本のデータを用いてほぼ分析が完了した("Heterogeneous elderly parents and intergenerational transfers in Japan")。この論文はInternational Union for the Scientific Study of Populationにおいて研究発表を行い、現在出版に向けて準備を進めている段階である。また今後、利用可能なデータを入手することができれば、この研究を他の東アジアの国に拡大して、比較研究を行うことも検討している。
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Research Products
(1 results)