2011 Fiscal Year Annual Research Report
家計の時間配分からみた就業行動に関する分析-男女別失業率の検証-
Project/Area Number |
21730244
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Research Institution | Takushoku University |
Principal Investigator |
杉浦 立明 拓殖大学, 政経学部, 准教授 (90321398)
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Keywords | 経済政策 / 就業 / 失業 |
Research Abstract |
平成23年度は、各種の統計調査から労働市場に関するデータを収集及び更新を進めて、男女別に就業行動及び時間配分に関するデータベースを構築した。上記のデータベースから男女の就業行動及び行動様式の相違を比較検討した。近年少子化が問題になる中で、女性の就業率と出生率の関係についての分析も進めて、その検討から得られた知見の一部は、雑誌『産経研フォーラム』において発表して一般社会への還元をはかった。先進諸国間で見る限り、必ずしも女性の就業率と出生率との間には、負の相関関係が存在するとは限らない。しかし、時系列データで見る限り、日本では女性の就業率と出生率との間には負の相関が確認できる。このような点も加えて、男女別にみた就業構造及び賃金構造の分析を展開した。 昨年度に引き続き、総務省統計局「労働力調査」から就業と失業のフローデータ分析を継続した。その結果、男女別、年齢階級別に失業継続確率、就業継続確率、失業確率等を算出した。これら数値を男女別に比較検討した成果は現在論文として査読中である。利用した「労働力調査」からの特別集計データでは既婚、未婚の区別、子どもの有無の区別はできないため、年齢による考察しかできなかったことは今後の課題である。年齢のみの限定された分析であるが、男性と女性、とくにライフステージにおいて、非労働力化確率及び失業化確率が大きく変動することが、日本の失業率を低い水準に留めている大きな要因である。
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Research Products
(4 results)