2009 Fiscal Year Annual Research Report
外国為替直物市場の情報透明性を考慮した経済モデルの構築およびその実証
Project/Area Number |
21730251
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
北村 能寛 University of Toyama, 経済学部, 准教授 (90409566)
|
Keywords | 高頻度データー / 外国為替市場 / 市場期待 / マイクロストラクチャー / 市場参加者の異質性 |
Research Abstract |
外国為替直物市場の市場参加者の期待を、日次、日中ベースでリアルタイムに計測することを目的とした研究を行う。外国為替市場に対して介入政策などを実施する通貨当局は、市場がどのような状態にあるのかをより正確にリアルタイムで把握することが必要である。そこで本研究は、市場期待に関する情報をリアルタイムに提供する計量経済モデルを開発することで、通貨当局のより効率的な介入政策の実現に貢献することを目的とする。また、たとえ介入政策が行われなくとも、市場が如何なる状態にあるか(市場が何を考えているか)といったことを把握することは、金融政策全般にとっても必要不可欠なことである。本研究は、株式などの金融資産市場とは異なる、外国為替直物市場の構造的特徴を考慮した独自の経済モデルを構築し、それに取引データ(高頻度データ)をあてはめ市場期待を推定する。それによって、将来の為替レートに対して市場がどのような期待を形成しているのか、また市場参加者間で期待水準がどれ程異なるのか(期待の分散度)、といったことが明らかとなる。 以上の研究テーマの中間成果の一部は、ワーキングペーパーとして公刊されており、今後さらなる研究内容の発展に努め、その成果の国際専門誌での公刊を目標とする。
|