2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21730256
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
柴田 舞 Rikkyo University, 経営学部, 助教 (70448653)
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Keywords | TOPIX / ブル・ベア市場 / マルコフ・スイッチング / ボラティリティ |
Research Abstract |
株価指数の変化率を表すリターンが数ヵ月から数年という中・長期にわたって変動する状況を分析し、株価指数が上昇する局面と下落する局面が入れ替わる年月を特定化した。このような局面はそれぞれ、ブル市場とベア市場と呼ばれる。また、この特定化には平均の変動だけではなく、分散の変動も含めて行った。 具体的には以下のとおりである。東京証券取引市場1部の変動を表すTOPIXを、1949年5月から2008年3月までの月末終値を対数変換し、これを1ヶ月前の値との差をとることで、リターンに置き換える。このリターンを、時系列モデルとして表現する。この際に、リターンはある平均を持って、なおかつ過去の値との自己相関をもって変動することを仮定するのが一般的であるが、本論文では平均が市場局面によって変化することを仮定した。この仮定は、平均を表すパラメータが確率的に変化するとしている。 さらに、リターンの変動の大きさを表すボラティリティの変化が毎月生じることを仮定したうえで、このボラティリティの大きさも市場局面によって変化しているとするモデルを想定した。このモデルは、1つの市場状態が続く期間が長くなるほど、その市場状態に居続ける確率も高くなるとした。 このモデルを推定した結果、リターンが高い局面と低い局面が入れ替わっていること、さらに、リターンが高い局面ではボラティリティが低く、逆にリターンが低い局面ではボラティリティが高いことが確認された。また、持続期間の影響も存在していることが分かった。
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