2010 Fiscal Year Annual Research Report
80年代、90年代、2000年代における世代間再分配政策の研究
Project/Area Number |
21730261
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮里 尚三 日本大学, 経済学部, 准教授 (60399532)
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Keywords | 社会保障 / 世代間格差 / 生命の価値 |
Research Abstract |
本研究ではわが国における所得再分配政策について定量分析を行うことを目的としている。研究成果としては昨年、「1990年代の世代間再分配政策の変遷-世代会計を用いた分析」(井堀利宏編『バブル/デフレ期の日本経済と経済政策5財政政策と社会保障』、内閣府経済社会総合研究所、第8章、pp.253-pp.275.)をまとめた。ただし、上記研究では2000年代の所得再分配政策について分析できていなかったので、本年度は2000年代についても分析を行った。分析結果から90年代は一貫して将来世代に負担を先送りする分配政策が取られていたことが、2000年代後半になると、将来世代の負担が軽くなる一方で、現在世代の負担は増える結果になった。その他の研究成果として、「労働市場のデータを用いたValue of a Statistical Lifeの推計」(『日本経済研究』、2010年、No.63、pp.1-28.)がある。この研究では医療政策といった人の生死にかかわる政策の際に利用されるvalue of statistical lifeを推計したものである。
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