• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2011 Fiscal Year Annual Research Report

イノベーションを促進するために必要な金融機関の役割と金融政策のあり方

Research Project

Project/Area Number 21730262
Research InstitutionNihon University

Principal Investigator

豊福 建太  日本大学, 経済学部, 准教授 (60401717)

Keywords協調の失敗 / グローバル・ゲーム
Research Abstract

平成23年度は、前年度に明らかにした債権者間の協調の問題を解決することが、イノベーションを起こす新規企業に対する融資を行う上で重要であるという分析を受けて、以下のような拡張を行った。一つ目は、現実の新規企業への融資の際には、メインバンクなどのような情報優位に立つ債権者と、その他の債権者に分かれる場合があるので、そのような債権者間に非対称性が存在するときに債権者間の協調がどのようになるのかを検討した。次に、そのような非対称な債権者の間で、情報優位にある債権者の健全性が損なわれると、新規企業への融資にどのような影響が出るのかを検討した。
上記の問題に対し、グローバル・ゲームというゲーム理論の中でも最新のトピックを用いて分析を行った。その際、Corsetti et al(2004}という、プレイヤーの非対称性を考慮したモデルを基に、新規企業への融資という企業金融の面から生じる現象に対してモデル分析を行った。そして、そうした債権者間の協調の問題が企業行動の効率性にどのような影響を与えるのかを分析した。
本年度で明らかにしたのは次のとおりである。まず、情報優位にある債権者が健全な時は、その債権者と他の債権者との問の協調がスムーズに行われ、企業行動を切り続ける効果を持つことを明らかにした。しかし、情報優位にある債権者の健全性が悪化すると、この債権者は企業によりリスキーな行動をとってほしいと思う反面、他の債権者は企業に安全な行動をとってほしいという、債権者間で協調が失敗する状況が生じることを明らかにした。その結果、企業の非効率な行動を誘発するだけでなく、非効率な清算を生み出す可能性があることを示した。
Corsetti,G., Dasgupta,A., Morris,S. and H,S,Shin(2004) "Does One Soros Make a Difference ? ATheory of Currency Crises with Large and Small Traders," Review of Economic Studies 71(1),87-114

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本務校での担当科目の変更などで、授業準備に追われる時期があったものの、昨年度までで二本の論文を海外学術雑誌に投稿できる状態までもってこれたので,おおむね順調であると考える。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、昨年度までに明らかにしたものをより精緻に分析を進め、研究の成果を公開できる年度にする。国内外での学会発表を行い、研究に関する有益な示唆を積極的に受け、海外学術雑誌に公開できる水準まで上げていきたい。

URL: 

Published: 2013-06-26  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi