2010 Fiscal Year Annual Research Report
上場企業における経営の世襲の決定要因と企業行動・業績に与える影響に関する実証研究
Project/Area Number |
21730266
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
齋藤 卓爾 京都産業大学, 経済学部, 准教授 (60454469)
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Keywords | 金融論 / 企業統治 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き日経500インデックスに含まれていた企業(金融業を除く)の社長・会長の出自(創業者、創業者との血縁ならびに姻戚関係)、取締役会構成(取締役人数、社外取締役人数)、社外取締役の属性、経営者の株式保有高(直接保有、間接保有)、株主構成に関するデータベースの作成を行う一方で、これらの要因が企業行動・業績に与える影響を調べるために、各企業の業績と企業行動に関する指標の作成に取り組んだ。企業業績としては各企業の利益率としてROA、株式市場における業績を測る指標として、株式投資収益率、トービンのQを計算した。企業行動を示す指標としては配当政策、合併・買収行動に関するデータを収集した。配当政策に関しては各社の配当性向、配当政策変更(配当金の増額、減額、維持、配当の開始、中止)を調査した。創業者一族は多くの株式を保有しているため毎年多額の配当金を受け取っている。そのため創業者一族が経営権をコントロールしている場合、配当政策が創業者一族の都合によって変更され、その他の株主が損害を被る可能性がある。具体的には、資金を投資に回すことが株主価値の最大化につながるにも関わらず、株式の売却を考慮しない創業者一族が資金を配当にまわすなどのケースが考えられる。M&Aに関しては日経新聞、MARRのデータブックなどから各社の売上高の10%以上の企業との合併もしくは買収に関する案件をピックアップしデータベースを作成した。
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