2009 Fiscal Year Annual Research Report
流通・市場・交通の歴史発展モデル:ゲートウェーの実証的研究
Project/Area Number |
21730278
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Research Institution | Tokyo International University |
Principal Investigator |
杉浦 未樹 Tokyo International University, 経済学部, 准教授 (30438783)
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Keywords | ゲートウェー / 流通 / 交通史 / 近世 / ヨーロッパ / オランダ / 市場史 |
Research Abstract |
今年度の成果は以下の通りである。 1.中近世ヨーロッパのゲートウェー機能を交通・流通面からさぐる共同研究セッション ラ・フォスカリ大学のGiovanni Favero准教授、ライデン大学のMichael Serruys氏と 8月に3日間にわたる編集会議を開いた。2010年4月ESSHC(ヨーロッパ社会経済史学会)、2010年9月のEAUA(ヨーロッパ都市史学会)、2011年1月のヴェニス・ラフォスカリ大学における研究会の 実施を決定。2012年刊行にむけて著者を選別し、構成を話し合った。同時に編集者3人が理論的枠組みを提示する導入論文を書くことにきめ、共通認識のすり合わせを行った。 2.ゲートウェー都市の消費者・流通業者の創造性についての国際会議を、香港大学で開催 歴史・文化人類学・社会学・実務家の参加する学際的なワークショップを開催した。 近世オランダのワイン流通と消費4)創造性についてペーパーを発表した。歴史研究を主体とした成果を編集中である。問題提起とネーデルランドをはじめとした中近世ヨーロッパ消費史研究の展望を行う 3.アムステルダムのワイン商の未刊行日記(アルマナック)のデジタル化・出版プロジェクト ユトレヒト大学のJeroen Salman教授の推進する上記プロジェクトは判読・うちこみがほぼ終了した。 この史料は近世の内国商人の日常の記録であり、大変貴重なものである。私の研究の核となるワイン商の実態解明につながり、今後の自身の分析をすすめていく。 4.近世オランダのワイン消費・流通についての研究交流 18世紀のオランダ・フラシス間のワイン交易の研究家であるソルボンヌ大学のAnne Wegener Sleeswik氏と、研究交流をすすめた。同氏の未刊行の成果を翻訳し、編集本で紹介し、自身の研究との接点や違いについて話し合い、史料面で助言をもらった。 5.近世オランダのワイン・コーパーの公証人記録・税記録・破産記録・結婚契約・遺書など について史料調査 -身上の都合(妊娠・出産)で自分で調査できなくなったが、ユトレヒト大学のRuben Schalk氏を助手にアムステルダム史料館の公証人文書を体系的に調査した。 6.「港湾都市と後背地」論文集に論文を加筆修正・応募2006年リヴァプール大学の研究会議に参加時の論文を加筆修正して応募した。論文集は来年か再来年のRoutledgeからの出版が決定し、内容と構成を来年度改める予定。
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Research Products
(4 results)