2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツとブレトンウッズ機関 -1950年代における流動性供給の実態-
Project/Area Number |
21730281
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Research Institution | Aichi Shukutoku University |
Principal Investigator |
石坂 綾子 愛知淑徳大学, ビジネス学部, 准教授 (40329834)
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Keywords | ドイツ連邦銀行 / 世界銀行(World Bank) / ブレトンウッズ機関 |
Research Abstract |
研究代表者・石坂は,研究期間の第2年度にあたり,国際復興開発銀行(IBRD以下,世界銀行(World Bank))とドイツとの経済的・金融的関連にういての研究支献を通観するとともに,ドイツの資本出輸促進とその世界銀行への頁献について検討した。また,このような課題を検討するために,ドイツ連邦共和国フランクフルトのドイツ運邦銀行,コブレンツのドイツ連邦文書館において資料調査を行った。 1950年代半ば以降,ドイツは黒字国として国際的な負担が求められたが,世界銀行第3代総裁ブラック(Eugene R.Black)はこの流れに敏感に反応し,ドイツに対し世界銀行への出資金マルク18%分を解除し,世界銀行の開発事業にマルクを活用できるように強く要請した。ドイツは,当初この出資金を58年から62年にかけて5か年分割で解除する予定であったが,ヨーロッパ経済協力機構(OEEC)からの要請もあり,早期の解除を応諾した。また,ドイツは,連邦銀行を通じて大規模なクレジットを供与し,アメリカに次ぐ資金供与国となった。以上の検討結果は,『愛知淑徳大学論集-ビジネス学部・ビジネス研究科篇-』第7号に掲載された。 上記の実証研究によって第2年度の研究計画は,おおむね当初の予定通りに達成された。来年度は,世界銀行出資金マルクの解除問題を中心に,ドイツ輸出産業との関連を明らかにし,最終年度として研究成果をまとめていく予定である。
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