2011 Fiscal Year Annual Research Report
近世長崎貿易の再検討―国際分業の観点から見た18世紀の日本とアジア・世界経済―
Project/Area Number |
21730284
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
島田 竜登 西南学院大学, 経済学部, 准教授 (80435106)
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Keywords | 経済史 / 東洋史 / 日本史 / アジア間貿易 / オランダ東インド会社 / 国際分業 / 東南アジア / 東アジア |
Research Abstract |
2011年度は、3カ年にわたる本研究の最終年度にあたる。そのため、本年度の研究活動は、基本的に研究の総括を目的とした。具体的には、18世紀ならびに19世紀前半における、ヨーロッパ人の日本貿易論を検討するとともに、補完的データを収集した。 今年度の研究の中心となった総括的日本貿易論の検討としては、オランダの東インド総督であったVan Imhoffの日本貿易論(1744年)、イギリスがバタヴィアを含むジャワを占領した時代の副長官Rafflesの日本貿易論(1811年)、さらには、オランダ返還後の蘭領時代にバタヴィアから長崎に派遣された日本商館長Meijlanの日本貿易論(1833年)を検討した。これら3名の日本貿易論の論者は、日本貿易に強い関心を持ち、長期的視野の下に、それまでの日本貿易をいかに認識し、改革すべきかを論じたヨーロッパ人の論説である。これを、第2年度までの本研究で明らかになった日本貿易の実態と比較を行い、本研究の総括とした。また、彼らの日本貿易に関する論説は、現在の研究にも強い影響を与えているため、こうした論説の再検討は、近世長崎貿易の再考察を意図する本研究の最終分析ともなった。なお、以上の研究に際しては、オランダ国立公文書館、ライデン大学中央図書館、オランダ国立言語・土地・民族学研究所、インドネシア国立公文書館での史資料の調査と収集を実施した。 成果としては、本年度において、2件の学術論文の刊行(英文1件、和文1件)ならびに学会・研究会・シンポジウム等での口頭報告7件(日本語2件、英語5件)を行った。
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