2011 Fiscal Year Annual Research Report
新卒就職者の早期離職行動と組織に対するイメージギャップに関する経時分析
Project/Area Number |
21730292
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山岡 徹 横浜国立大学, 国際社会科学研究科, 准教授 (80377085)
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Keywords | 組織コミットメント / 心理的契約 / 人材採用 / 離職 / キャリアデザイン |
Research Abstract |
新卒の大卒就職者の早期離職行動について、そのメカニ入ムを新入社員の心理的要因から分析するために、平成23年度は先行研究をもとに開発した以下の3つの尺度について、就職活動を終えた入社前の大学生を対象としたサーベイ調査を実施した。その尺度とは、第一に「組織人としての資質」尺度、第二に「入社するにあたっての潜在的不安」尺度、第三に「内定先企業のイメージ」尺度である。本研究では、これらの尺度によって測定される心理的要因が、新卒の大卒就職者の早期離職行動を説明する重要な変数ではないかと仮定している。 さらに平成23年度は、入社1~3年目の若手社員に対して、入社後の組織に対する意識変化や転職活動の有無などについて聞き取り調査を行った。くわえて、若手人材の定着に向けて企業が実際にどのような人材マネジメントを実施しているかについて、実態の聞き取り調査を昨年度に引き続いて行った。聞き取り調査の具体的な内容としては、若手人材の定着に向けた人事政策の内容とその運用実態、その政策の実績などについてである。くわえて、聞き取り調査を行った対象企業の若手社員に対して、人材定着に向けた人事政策の内容や運用実態をどのように受け止めているかなどついて聞き取り調査を行った。 このように平成23年度は、組織に対する若手社員の心理的要因と企業の人材定着に向けた政策の運用実態との関係について調査、分析を行った。 同時に、「心理的契約」や「組織コミットメント」などの概念について文献研究を並行して行った。具体的には、「心理的契約」と「組織コミットメント」の両概念を、新卒の大卒就職者の早期離職行動の分析や解釈にいかに適用できるかに関して理論的な検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
サーベイ調査や聞き取り調査をおおむね予定通りに実施できたため。 また、文献研究についてもおおむね計画通り進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査結果の信頼性を高めるため、サーベイ調査のサンプル数をさらに増やすことを目指す。 企業に対する聞き取り調査については、業界や企業規模などに関して調査対象企業の多様性を増やせるように、引き続き、企業への調査協力の依頼を継続する。 また、文献研究については、早期離職行動に関する先行研究の内容を確認し、組織コミットメントや心理的契約との理論的な関連性を引き続き考察する。
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