2012 Fiscal Year Annual Research Report
経営学における効率性・市場・技術概念の理論的・経験的検討:制度派組織論の視点から
Project/Area Number |
21730299
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
松嶋 登 神戸大学, 経営学研究科, 准教授 (10347263)
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Project Period (FY) |
2009-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 効率性 / 経営学方法論 / 新制度派 / 人工物 / 経営戦略 |
Research Abstract |
本年度は、研究計画に示されたように、独自の理論枠組みの開発と調査研究の成果を学会で報告し、学術雑誌に投稿しつつ、これまでの研究成果を踏まえて一層の進展を図ってきた。 具体的には、昨年度に社会構成主義の方法論に関する論文として公刊された、シャープの緊急プロジェクトに対するフィールド調査は、制度派組織論の理論枠組みのもとで、「官僚制の作動」を問う論文として英文化してきた。これらの論文は今後海外のジャーナルへ投稿していくことになるが、ひとまず日本語版を『国民経済雑誌』へ掲載することになっている。 次に、経営学の方法論的含意を探求するために継続してきた、アンソフの経営戦略概念についても、アンソフの批判者として知られるミンツバーグの制度概念との違いに基づいた学説史的検討として各種論文としてまとめられ、また、学会報告を通じた検討の後に、経営学史学会の叢書として公刊された。 これ以外にも、本年度の研究計画として示されていた人工物の概念を巡り、本研究課題に関連して蓄積してきた研究成果を再検討しつつ、新たな切り口で論文として公刊してきた。具体的には、電子カルテに媒介された医療実践の変更をバーナード組織論をもとに再解釈したものや、携帯電話産業に見られるガラパゴス化を組織フィールド概念で再解釈したもの、さらには技術研究としての理論的アイデンティティを問うレビュー論文などである。 さらに、最終年度にあたる本年度の研究成果として、本研究課題における中心的課題である「効率性」概念について、新制度派組織論と新制度派経済学の葛藤を超えた理論的一般化を目指し、とりわけ効率性の追求が制度の内生的変化を促進するという枠組みのもとで、わが国における系列取引も歴史的に変化してきており、また現在もその変化の過程にあることや、その現在的表象としての電子市場取引に関する考察を行ってきた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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